動の赤と静の青

幾千万の星から 貴方を見つけられる

「応援する」ということ

「好きです、応援してます」

「これからも応援してください」

 

さて、このよく聞く「応援」って一体なんだろう。この手の話はよくはてなブログでもツイッターでも取り上げられている話題だと思うけど、持論を展開したくなった。

グーグルで調べてみると「力を添えて助けること。加勢。」と出てくる。応援する対象が誰なのかによってその力の添え方は変わってくると思う(スポーツ選手などが対象ならまた違ってくると思うし、わたしはそちら方面には明るくない)ので、今回は芸能人、とりわけジャニーズに関しての応援、力の添え方が何なのかについて話したいと思う。

 

まず結論から言うと前記事にも書いたけれど、私個人は「応援=お金を落とすこと」だと思っていて、アニヲタやバンギャをしていたときにはあまりしなかった考え方だ。わたしが応援とはお金を落とすことだ、と解釈することになった原因としては2つ考えられる。

 

1つ目は、好きな人が実在することだ。

数年前のわたしの好きな人は現実世界にはいなかった。実在しない平面だった。もちろんその時も学生なりにグッズを買ったり、イベントがあれば足を運んだり、できる限りお金は遣ったけれど、その時はただ自分がそのグッズが欲しいとか推しを見たいからという理由でお金を遣っていて、推しの応援になるとかそんなことは微塵も思わなかった。だってこの世界にいなかったから。もちろん、キャラの人気投票などで自分の推しを上位に食い込ませたいとか、コンテンツ内での露出を増やしたいからたくさん個人グッズを買うという応援スタンスを取っている人を否定する訳ではないし、実際お金を落とせば運営からそれなりの見返りだってあるんだと思う。むしろお金を落とすオタクがいなくなれば、コンテンツが衰退していくのは二次元も三次元も関係ないとは思っている。けれどわたし個人は、実在しない好きな人を「自分の身銭を切って応援する」という感覚は持てなかった。

今は違う。前記事の「君」(以下便宜上担当と呼びます。歴半年で担当呼びするなという意見は心に留めて頂けると幸いです)は間違いなくこの世界に実在する。自分と同じ日本にいて、今同じ時間を生きていて、自分と同じように朝起きてご飯を食べ、仕事に出かけて帰ってきて眠る、自分と同じ人間だ。当たり前だけど、人間が生きていくためにはお金がいる。生きていく、だけだとちょっとハードルが低いけど、そのプロポーションを磨くためにスポーツジムや美容院に行くのも(どちらも私の担当はよく行ってるらしい)、私服を買うのも(担当めっちゃお洒落)、後輩に美味しいご飯をご馳走してあげるのも(担当めっちゃ奢ってあげる)全部お金が必要。別に(わたしが担当の生活を支えてあげてる)なんて自己陶酔したい訳じゃない。まあ完璧にしてないかと言われれば頷けないけど。わたし一人いなくても彼は今の生活水準を保てるだろう。芸能人で、きっとご実家も裕福な彼からしたらわたしの費やした金額など端金だろう。けれど、結局のところわたしの支払った写真代、チケット代、グッズ代、雑誌代、CDやDVD代などはもちろん全部ではないにしても回り回って担当の給料の一部分になっているのは事実で、それがわたしの1つのモチベーションになっている。

もはや常識だと思うけど、担当に直接振り込みたいオタクはジャニショで写真、コンサートの時にうちわを買えばいいらしい。あれはグループではなく個人の売り上げになりいくらか本人にバックがいくのだそうだ。素敵な制度をありがとう事務所。

 

2つ目は、担当グループがまだそんなに売れていないことだ。バンギャだった頃のわたしは、自分の好きな人が売れていない、という感覚がなかった。90年代V系が主に好きだったので、好きなバンドは複数あったけどどれももうとっくに音楽界での地位を確立していて、知名度も高かった。一世を風靡したのは一昔前だったから大学の友達に同じバンドのファンはいなかったけど(ライブでは一人で頭を振っていた)名前を出して?顔をされたことは一度も無いし、あるバンドは(このバンドをV系に含めるかは諸論あるが)国立や東京ドームを一瞬でソールド(どころかチケット戦争勃発)させるようなバンドで、ファンも老若男女問わずいた。

売れているとか売れていないとかの基準は様々だしわたしはそっちの専門家ではないので分からないけれど、わたしが今応援しているグループ、及び担当が目指しているのは「国民的アイドル」の地位だ。1つの時代を創ることだ。加えてわたしの担当の夢は、かつて自分が嵐に憧れたように、自分たちも誰かに夢を与えられるようなグループになることだ。事務所でてっぺんを取りたい、ナンバーワンになりたい、二番じゃ意味がない。彼はそう言う。そこから逆算すると今の状況とはまだギャップがある。勢いのある後輩グループが下から追い上げてきている中で、いつまでも事務所の力に頼っていられないのが現実だろう。ここで勘違いしてはいけないのは、そのギャップの埋め方をファンがあれこれ言うことだ。もっとこうするべき、もっとこういう売り方をするべきだとかそういうのは本人たちや事務所に任せればいいわけで、むしろそれが彼らの仕事であり、わたしたちファンが担う役割は彼らをプロモーションする大人たちに「彼らの需要」を見せつけることだと思っている。需要を見せつける、ためには手っ取り早く数字を出すのがいい。CDやDVDの売上枚数、コンサートの動員数、その他グッズなどの売り上げ。身近で言えば担当が起用されたスマホゲーム、起用前と起用後の課金額の伸び代。

アイドルは慈善事業ではない、ビジネスだ。綺麗な照明を浴びてキラキラした衣装を纏ってピカピカの笑顔でステージで歌って踊っている彼らはそんなこと微塵も感じさせないけど、彼らにとってはそれが仕事であり、わたしたちファンは顧客だ。でも現実は、違法ダウンロードサイトで新譜を聴いてCDを買わない、ネットに流されている動画や画像で満足してコンサートの円盤や雑誌を買わない。ファンクラブや月額の有料会員しか見られない動画や画像を平気でツイッターに載せるなどが横行している。別にマナー厨になりたい訳でも、ここで学級会を開きたい訳でもない。そんなものはツイッターでたくさん開かれている。でも、そういう行為をしている人たちは、アイドルとはビジネスで、私たちは顧客だという意識が欠落しているんだと思う。レストランで食事をしてお金を払わず店を出る人はいない。商品をお金を払わずお店から持ち出したらそれは万引きだ。窃盗罪だ。サービスや商品を享受したいならそれなりの対価を払うのは当たり前のことで、わたしたちはその当たり前のことを日々当たり前にしているはずだ。それは対アイドルにしても何ら変わらないと思うのはわたしだけだろうか。

さらに、コンサートをするのも、新曲をリリースするのも、全部お金が必要で、事務所やレコード会社にかけたコストに見合うリターンがない、と判断されれば段々リリースやコンサートなど彼らを目にする機会は減っていく。わたしも一社会人の端くれとしてビジネスとはそういうもので、それで当然だと思っている。

わたしは担当と彼のグループのメンバーにそんな風にはなってほしくない。現実事務所は彼らにとても好意的だ(好意的すぎるほど)けれど、それに胡座をかいてばかりはいられない。期待をかけて、たくさんコストをかけて仕事を振ったけどリターンがないと判断されたら、事務所は態度を変えるだろう。

彼らの目指す場所はてっぺんで、他のファンの人は知らないけど、少なくともわたし自身はてっぺんを目指すアイドルのファンとして、それなりの自覚と行動を伴いたいと思っている。

 

あれこれ偉そうに尤もらしいことを言ったけど、わたしは根底として担当が好きだからお金を遣うし、それが彼を応援することに繋がっていると信じている。あと、わたしは欲深い人間なので、担当に好きと伝えたい。わたしがこんなにあなたのことを好きであなたに頑張ってほしい、もっと上にいってほしい、あなたの夢が叶ってほしいと思っている人間がいることを知ってほしい。

そのためには家で寝っ転がってツイッターで好きだと呟いていてもをだめなのだ。彼は一般人ではない。わたしが無償で関わっていいような人間ではないのだ。たとえ自己満足だとしてもせっせと担当とグループにお金を落として、現場に入ってあなたのうちわを持って歓声を送らなきゃいけない。そうしなければ伝わらないし、伝わらない、形になっていない応援なんか応援じゃないとわたしは思っている。